朱音

ハプニングの朱音のネタバレレビュー・内容・結末

ハプニング(2008年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

M・ナイト・シャマラン監督自身が「シックス・センス」を大ヒットさせたことで一躍ハリウッドのスター監督の仲間入りを果たし、「アンブレイカブル」「サイン」とそれなりの成功を収め、その後のいくつかの作品でコケてからの、それこそ最低迷期ともいえる時期の本作。
風が吹いたら人が死ぬ。というアイディア自体は非常にインパクトも強く面白味を感じさせるが、それをまったく活かせなかった、捻りのある作品を生み出そうとして、捻りすぎてもうなんだかよく分からなくなっちゃってる印象の作品。

ビルの上から次々と人が飛び降りるカットなどは良かったが、全体的に理不尽さが演出し切れていないというか、全然恐怖に感じられなかった。
当たり判定の曖昧なデッドorアライブも結局は物語を次に進めるためのルーティーンに過ぎないことを強調するばかりで、緊張感がない。

終盤の変人おばあちゃんの件は本筋と一切関係がなく、ただ地味でパッとしないラスト周辺を、行き当たりばったりの恐怖演出で盛り上げを作るためだけの賑やかしの様なものというのが透けて見え、心底退屈だった。

いっそのことオカルト方向にしてしまえば良かった気がする。原因や起こっていることの正体、意思があるのかないのか、何も分からないという事がそのまま得体の知れなさ、となり恐怖に繋がるかもしれないと思うのだけれど、植物が毒素を~と言われてもポカンとしてしまうばかりだ。

シャマラン映画ならではのひねりのあるラストを求めすぎるとガッカリすることだろう。


キャラクターは割と親しみやすく、マーク・ウォールバーグ扮する科学教師のエリオットのいなたいルックとか嫌いではない。
登場時間は僅かだし、すぐに死んでしまったりするが、いわゆるモブのキャラクター達にもどこか味のある印象的なメンツが揃っていて楽しめた。
こういう間の抜けたユーモラスな、人懐っこさの様なものがあるのでシャマラン映画は嫌いになれない、応援したくなる監督の1人だと、改めて思った。
朱音

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