laBamba01

A.I.のlaBamba01のレビュー・感想・評価

A.I.(2001年製作の映画)
4.5
公開当時に映画館で観て以来の再見。

当時は、クライマックスへの展開が飛躍し過ぎたトンデモ描写に思えて置いてけぼりを喰らった様な気分になり、今ひとつノレなかったのだが、今回 見返すと、「息子を亡くした父→息子の形をしたロボット→息子の不在に揺れる母への成就することの叶わぬ愛」...終始一貫した主人公の孤独と愛を希求する姿の哀切に胸打たれ、涙した。

そして、17年も前に作られた映画なのに、そのディテール描写やテーマが全く古びたり 色褪せたりしていないことの驚き。

寧ろ、今そしてこれからの近い将来における身近な題材であることに、スピルバーグ、そしてキューブリックの慧眼を感じた。

表現者スピルバーグの凄さ・素晴らしさは、この手の、ひとつ間違えば荒唐無稽になり得るSFファンタジーを、一定のコアなターゲット層に絞って作ることをせずに、あらゆる層の大人(の中の子供ゴコロ)と、当然、少年少女にも 観て解る 普遍的なテーマと(ピノキオに借りた童話的)話法とディストピアのビターなルック、更には人種や階級といった人間社会に潜在するリアルな問題提起を織り込みながら、美しくスケール感溢れるエンタテインメント作品にまとめ上げているところだろう。

A.I....人工知能の次は、VR...バーチャルリアリティ。『レディ・プレイヤー1』が さらに楽しみになった。
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