あしたか

バタフライ・エフェクトのあしたかのレビュー・感想・評価

バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)
4.8
[再鑑賞]


[あらすじ]
幼い頃から短時間記憶を失うという原因不明の症状を持つ少年エヴァンは、治療のために日記をつけていた。大学生になってからその日記を読み返した時に、過去に戻れる能力が備わっていることに気づく。幼なじみであるケイリーの人生を狂わせたのは自分自身であることを知り、過去に戻って彼女を救おうと奮闘していく。


恐ろしく作り込まれた脚本と迫り来る凄まじいサスペンス性。
完璧な映画。

タイムトラベル能力を持つ男が、自分が納得する過去を作ろうと何度もトラベルするも、バタフライ効果により未来が次々と書き換わる。ドツボにハマりどんどん未来が悪化していってしまうが、果たして主人公は幸せな未来を掴むことは出来るのか?というSFサスペンス。

序盤からスピーディに謎と伏線をばら撒き、グイグイと観客を引っ張っていく脚本が凄い。先が気になる面白さで2時間があっという間。
伏線の1つ1つの回収の仕方にも驚きがある。

「主人公が良かれと思って変えた過去のちょっとした選択が、とんでもない未来を巻き起こす」ということを繰り返すストーリーが吸引力抜群だし、何より無情だ。何度やってもどこかで必ず綻びが出てしまうところに、主人公があの手この手で対処しようとするところに物凄いサスペンス性がある。

過去が変わる度に現在のシチュエーションが全くの別物になるので、それだけで驚きがあり面白い。
あっちの未来では彼女との関係は良好だが友達が犠牲になるとか、こっちの未来では友達全員が元気だが自分だけが不幸になるとか、どうにも100%ハッピーな状況を作り出せない残酷な運命にもどかしさを感じ、そこにハラハラしてしまう。

しかしながら主人公の行動原理は全て「初恋の人を幸せにしたい」である。愛のためにあらゆる手を尽くす主人公の行動には心を打たれるし、サスペンス映画の形を取りながらも絶大な愛の力を感じずにはいられない。
さながら運命に挑んだ男の哀しき物語、といったところか。

すこぶるエキサイティングで知的なスリラーだと言えると思う。全編全く緊張感が途切れず、最初から最後までがクライマックスと言ってもいいくらい面白い。

"映画史上最も切ないハッピーエンド"の謳い文句に偽りのない、愛に満ちたエンディングはこの上なく衝撃的だ。
是非その目でご覧いただきたい。