さんおつ

バタフライ・エフェクトのさんおつのレビュー・感想・評価

バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)
3.6
2004年作品。DVDにて鑑賞。

今更観ました。皆さん言う通りかなり面白かったのですが、個人的に気になる点をいくつか書きたいと思います。

序盤は仕込みに時間をかけて、後半怒涛のように回収する映画で、起こる事件や全体の雰囲気は、結構陰惨です。

児童に対する性的虐待、動物虐待、売春、麻薬、アルコール、ニコチン中毒、精神障害など、飽くまで現実に起こっていることをモチーフにした各シーンは、それが主人公の身近なところで起こっているだけに、特に悲惨な印象を与えます。

各シーンは、飽くまでレーティングに配慮した演出なのでしょうか、極端な流血、バイオレンス、性の直接的な描写はありませんが、身近にありそうな事件の数々が、主人公共々私たちをも不安に陥れます。この辺、上手いというか絶妙なのですが、飽くまでこの映画は、低予算のアングラ作ではなく全米ヒット作であるところにアメリカの懐の深さとか裾野の広さを感じます。

ストーリーもどちらかというと、悲観的です。主人公は、過去に戻りあらゆる手を使って、友人、恋人、家族を守ろうとするのですが、事件を解決する度にまた別な事件が起こり、自分や周囲の人々の運命を大きく変えてしまいます。なので、ラストの主人公の決断には、それまで起こった事件の悲惨さからむしろ激しく納得してしまいました。

映画としての出来について。
演出や撮影は、少なくとも安っぽ〜い感じではありません。特に後半は怒涛の伏線回収もあり、画面から目が離せなくなります。時々色彩が不自然なところがあるのですが、これはDVDのせいなのか元々狙った効果なのか良く分かりません。

役者もアシュトン・カッチャーを始め、子役も含めて優秀。ヒロインのエイミー・スマートは、出てくる度にキャラが大きく変わるのですが、う〜ん、ヒロイン感が薄くこの映画唯一の欠点かもしれません。(どちらかというと母親役のメローラ・ウォルターズの方が印象的でした。)

タイムリープもの、ループものの代表作といわれる本作ですが、やや、マイナーな味わいがありますので、アイデアで勝負の低予算映画に慣れている方には、間違いなくオススメ出来ます。