私の好みとするタイムリープ物で、最もお気に入りの作品。
子供の頃、時折記憶の一部が消える主人公エヴァン。
だがその記憶は自身の人生の分岐点であり、その記憶に戻り書換えが出来る事に気付く。
初めは大切な彼女の為にちょっと過去を変えただけなのに、逆に予想しなかった事態に巻き込まれていく。
その度、過去の記憶に何度も戻り修正していくのだが・・・・
劇中冒頭から引き込まれ、途中ダレることもなく、次々と事が展開していく。
それでありながら、どのシーンも重厚な内容で実に面白い。
何故かといえば、タームリープ物として幾つもの伏線が散りばめられているのですが、その複線の回収がほんとピタッとハマっていて、矛盾が無いんです。
それも6年かけて練られたという、綿密に組み立てられた脚本にあると感じます。
役者については、特に幾つもの過去に対応したエイミー・スマートの正に七変化と言える表現が上手く、この演技をきっかけに彼女のファンになった程。
本作が伝えたメッセージは”過去を気軽に変えるのはとても残酷”だと言う事。
そういった意味では最後にエヴァンが取った決断も説得力があり、”最も切ないハッピーエンド”って売り文句も納得の作品だと思います。
私は本作のディレクターズカット版のメディアを所有しておりますが、これに収録されている、別エンディング版の本編も中々興味深い結末です。
このディレクターズカット版は私の一生の宝物になると思っています。