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かもめの城のEyesworthのレビュー・感想・評価

かもめの城(1965年製作の映画)
4.7
【私とかかし】

ジョン・ギラーミン監督×パトリシア・ゴッジ主演の孤独な10代の少女アニエスを描いた作品。

〈あらすじ〉
フランスのブルターニュ地方で、元判事の父親、年若い家政婦と共に暮らす少女アニエス。 家人以外との交流を禁じられている彼女の寂しさを紛らわすのは、古びた人形と海辺に集うかもめたちだけだった。 やがて彼女は“自分だけの”かかしを作って庭に据え、まるで恋人のように接し始める…。

〈所感〉
パッケージに惹かれて見たのが大きい。ヒロインのパトリシア・ゴッジ演じるアニエスは大人びた子供に見えるが、厳格で周囲の子供と交わらずに閉塞的な家庭環境で育ったため、まだまだ子供らしく、人形やカカシをイマジナリーフレンドとして心の縁としていた。しかし、ある青年を救ったことにより、その青年は自分のカカシに命が宿ったのだと思い込み、生活が違う方向に色づいていく。
特徴的な構図でモノクロの画がここまで映える作品は久しく見てなかった。海沿いの断崖のロケーションも相俟って、少し狂気じみたサスペンスのようにも思えるが、結局誰が悪いわけでもなく、皆それぞれが最善を尽くした結果のアレなので普通に良い映画だったなぁと思い返す。
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