矢吹健を称える会

わが命の唄 艶歌の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

わが命の唄 艶歌(1968年製作の映画)
3.3
 まず気に入った点としては、ウルトラハイパーミラクル美少女・松原智恵子が殺人的に可愛い点と、青山浩二が演じる「団次郎」なる歌手のパフォーマンスである。この「団次郎」、歌うときに目が変な方向を見ており、しかも振り付けが珍妙かつ単調。それが背の高さ・ハンサムさと奇妙な化学反応を起こした結果、どうにも目が離せない存在となってしまっている。

 物語はかなりアンバランスで、特に渡哲也と芦田伸介が争う段になると、どうやら立場的にはプロデューサーにあたるらしきふたりが具体的に何をやっているのか全然見えないのがどうにも良くないと思う。また後半は演出自体もえらく急ぎ足&安易になり、売り上げを線グラフで見せたり、佐藤慶が突然悪者になったりする。
 ただそんな役にも関わらず佐藤慶はやっぱり素晴らしいし、芦田伸介も渋くて最高。渡哲也が夜の街で酔っ払って歌うシーンは、いかにも日活撮影所という感じの街のセットに魅了される。水前寺清子がはじめて歌うシーンも説得力のある演出(なにしろ流しで歌ってるのにドラムも鳴り出すし、スポットライトもあたる)、そしてなにより水前寺清子が非常に美しく画面に映えている。ラストで顔がポンポン出るのはちょっとどうかと思うが……。

 それにしても大好きな泉アキと青山ミチ(共に才能の絶頂期というべきだろう)が実際に動いている様を見られて感激。