にゃんこむ

旅立ちの時のにゃんこむのレビュー・感想・評価

旅立ちの時(1988年製作の映画)
4.2
両親の思想や活動によって、その子供の生き方が制限されてしまうという悲劇を描いた作品。

○ダニーは両親と弟と一緒に暮らす高校生。ピアノを愛し、気になる女の子が出来たり、彼自身はごくごく普通の少年だった。しかし、彼の両親は60年代の反戦運動でテロリストとして指名手配された人物であり、ダニーの人生は引っ越したり名前を替えたり辛い人生だった。幸いなことに家族仲は悪くなかったのでそれなりにやってこれていたが……

テロの犯人が子供を持つことは良いのか?と言う問いには、罪を償っていれば別だけれど、FBIの追跡真っ最中なのに子供を巻き込むなよ。それでも子供と一緒に居たいというのは親のエゴだよ……と個人的には思いますが、この作品の両親というのは、心の底から子供たちの事を愛していて、逃げたり隠れたりするのも子供たちの為でもあるのかなぁと思いました。
だからこそダニーは両親の愛情を裏切る事は出来ない、けれど日の当らない暮らしも嫌で、ガールフレンドを作ったりする同世代の平凡な暮らしもしたいという板ばさみ状態。

家族愛というのは素晴らしいこと。
けれどそれが支配や足かせになってしまうのは違うよね、と思いダニーの父にイライラしていましたが、最後は未来ある終わらせ方でとっても良かったと思います。
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