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旅立ちの時のmomokaのレビュー・感想・評価

旅立ちの時(1988年製作の映画)
4.7
両親がFBIによる指名手配犯だったら…。
ダニーは物心ついた時にはもう嘘だらけの生活を送らなければならなかったのかと思うと、想像もつかないくらいのつらさを感じる。

自分たちのせいで子供たちを不自由にさせている両親に、序盤では結構腹が立っていたが、徐々に両親の胸の内が明かされ苦しくなった。特に、母親が自らの父親に長年の想いを伝えるシーンは涙が止まらなくて、親が子を想う気持ちは指名手配犯であろうと関係ないと感慨深い気持ちになった。

また、苦しい生活の中で、ダニーはローナに出逢うことが出来て良かったと救われた。「なぜ他人の重荷まで引きずっているの」というローナの問いかけは心に突き刺さると共に、優しい心を持つダニーと本当にお似合いだなと感じた。2人が映るシーンはどれを切り取っても絵になるくらい美しい。

ラストで、ダニーを自由にさせてあげた父親。決して悲しいお別れをするのではなく、ダニーの背中を押すような言葉を掛ける。結局、ちゃんと子供の未来をいちばんに考えてあげられる素敵な父親だったのか…って感動せずにはいられない。

ダニーがピアノを弾くシーンも個人的にはとても好きで、自然と涙が溢れてきた。『Stand by Me』の際にも感じたが、リヴァー・フェニックスってこんなにも繊細な演技ができる素晴らしい俳優さんだったんだね。悲しいな。
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