マヒロ

アラジンのマヒロのレビュー・感想・評価

アラジン(1992年製作の映画)
4.0
とある砂漠の王国の国務大臣であるジャファーは、強大な力を持つという魔法のランプを探し求めていたが、その試練をくぐり抜けられるのは「清らかな心」を持つ者だけだった。そんな中、その清らかな心を持つ者として選ばれたのは貧しい孤児の青年・アラジンだった……というお話。

ディズニーの長編アニメーションを幾つか観てきて、この監督ならほぼ間違いないな、と思えるのが今作の監督であるジョン・マスカー&ロン・クレメンツのコンビで、今作もやはり面白かった。何と言ってもランプの魔人・ジーニーのキャラに尽きると言った感じで、出てるシーンは最初から最後まで全部面白いといっても過言ではない。何でもできる万能キャラだが、願い事は3つだけという制約から好き勝手物語を転がすことは出来ないというのが上手いことスパイスになっているのも良い。メタ・パロディその他おちゃらけはジーニーが全て担っているので、映画全体の軸がブレていないところもバランス良くて好印象。ここら辺やり過ぎた『ヘラクレス』は個人的にイマイチだったので、これくらいが良い塩梅なのかも。

上映時間が時間なので語り足りないようなところもチラホラあり、アラジンとジーニーが親友となるまでの過程がアッサリし過ぎていて別れのシーンが若干白白しかったりと、ディズニー映画に常々感じることだが時間が足りてないのが惜しい所。ジーニー以外にも、アラジンやジャスミン、悪役のジャファーやイアーゴに至るまで良いキャラの片鱗を見せたままそこまで深くは掘り下げられないままだったので、そこら辺描写がもう一歩欲しかったかなぁ。ポテンシャルは十分にあるが、ディズニーサイズに落とし込むにあたってそこが削ぎ落とされてしまったということなのかな。実写版ではそこら辺補完されてるんだろうか。

(2021.161)
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