ハル

恋のためらい/フランキーとジョニーのハルのレビュー・感想・評価

3.9
ものすごく昔の映画だが、擦り切れるほど観ている作品である。「プリティ・ウーマン」の監督が撮っている。

「スカーフェイス」でヤクザと情婦の関係だったアル・パチーノとミシェル・ファイファーが今作にて再共演。アル・パチーノはギャングではなくムショ帰りのコックを、ミシェル・ファイファーは何かワケアリなことがあって恋に臆病になっているウェイトレスを演じている。特にひねったところのない、フツーの、大人のラブストーリーなのに、擦り切れるほど観てしまったのは何故だろう。

それはもちろん二人の演技力に負うところが大きいが、非常にシンプルなことが語られていたからだと思う。

傷を負った人間には傷を癒やしてくれる人間が必要なのだ。傷を負ったまま自由になれないでいたミシェル・ファイファーにとって、アル・パチーノは、傷を受け入れ、癒やしてもくれる、唯一無二の存在だったのである。

ぎこちない恋に疲れた二人は「月の光」に導かれるように惹かれ合っていく。朝焼けを浴びながら彼らが語り合うシーンは最高だ。すべての恋人たちにこんな朝が訪れればいいのにと思う。
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