うめ

眺めのいい部屋のうめのレビュー・感想・評価

眺めのいい部屋(1986年製作の映画)
3.7
トキメキを取り戻せ2017 26

イギリスの令嬢ルーシー。
旅先のフィレンツェに行くのだが、「眺めのいい部屋」ではなかった。
エマソン親子が部屋の交換を申し出てくれた事から、息子であるジョージと近づき始める距離。
しかし、引き離されてしまう二人。
その後、偶然にイギリスで再会するのだった…

優雅でたおやかなフィレンツェ。
素朴ながらも穏やかなイギリスの郊外。
美しい舞台に素晴らしい音楽が絡めば…
こんなにスマートで格調のある作品になる。
「日の名残り」なんかもそうだったが、イギリスの屋敷は何とも言えない雰囲気を醸し出しますね。
だからといって、堅苦しい映画では全くありません。
笑えるシーンもけっこうあり、特に池でのシーンはなかなかです。

ルーシーのヘレナ・ボナム・カーター。
彼女にもこんな可憐な時代があったのです^_^
当時の衣装がよく似合う。
自由そうに見えて、端々に見せる育ちの良さ。
強気な彼女だからこそ、ラストの表情がたまらない。

ルーシーの年の離れた従姉妹シャーロットを演じるマギー・スミス。
マクゴナガル先生とはうってかわり、小うるさい癖に繊細っていうややこしい女性を好演してます。

シシル役のダニエル・デイ・ルイス。
変わり者の知識人なのだが、これがまた良い。
今ほどの迫力はないものの流石に存在感がある。
優しい役の彼もいいものです。
是非、カムバックを望む。

そして、また出ました。
ジュディ・デンチ。
彼女に限っては、今とあまり変わってない♪( ´▽`)
イギリスの樹木希林みたいなもんですな。

他のキャストも非常に安定感があります。
おとぎ話のような演出も、イギリスらしい粋さ。
それでいて、しっかりとトキメかせてくれます。

高級食材を惜しみもなく使いながらも、味が喧嘩する事もない澄み切ったスープのような味わい。
そんな深みのある上品なトキメキ。
うめ

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