雨の午後の降霊祭の作品情報・感想・評価

雨の午後の降霊祭1964年製作の映画)

SEANCE ON A WET AFTERNOON

製作国:

上映時間:115分

ジャンル:

3.6

「雨の午後の降霊祭」に投稿された感想・評価

sleepy

sleepyの感想・評価

4.2
弱き人は優しい人 *****


雨のロンドン郊外、小雨のそぼふる中、昼間から窓をしめきって一軒の家で降霊会が行われる。このセッションの主催者は霊媒師マイラ(スタンレー)。夫はビリー(アッテンボロー)。いきなりのゴシック、あるいはオカルトスリラー的滑り出し。蝋燭に浮かぶ皆の真っ白な手。本作はすぐに一転、ある犯罪を巡るサスペンスとなり、異常な神経戦の様相を呈し、観客を夫婦の特異な関係の中に引きずり込む。無職で気弱でいいなりな夫、エキセントリックな妻。夫婦の関係性を小出しにしながら、稚拙な(しかし異常な)計画は着々と実行に移される・・。

一番の見所は、過去の痛手と呪縛から逃れられない妻スタンレーと、愛情と罪悪感に揺れる夫アッテンボローの驚くべきパフォーマンス。スタンレーは1964年度米アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。日本では1982年の力作『女優フランシス』でのジェシカ・ラングのおっかない母親役、83年『ライトスタッフ』のパイロットがたむろするバーの女主人で知られる。瞳の芝居が尋常ではないアッテンボロー。感情の板挟みに憔悴する抜き差しならない男を、受けの芝居で演じ切っている。本当に相手を必要としていたのはどちらか・・。

そして陰鬱な一軒家と曇り空やうすら寒い雨もよいの郊外のモノクロの街並みや室内を捉えた撮影が素晴らしい。物語や映像の新規性に頼った空疎なサスペンスとは一線を画すこういった佳作はもっと評価されるべき。ミステリ、オカルト趣味な?英国人気質が良く出た作品。

超能力を使って失踪者捜索とか動物と話せるというでたらめなテレビ番組を思い出しました。『バニーレークは行方不明』ファンにはお薦め(人物の反転、家族の綱渡り。そして抜き差しならない共依存)。他に『サンセット大通り』『何がジェーンに起こったか』なども。

Seance on a wet afternoon , 1964, UK, オリジナルアスペクト比(もちろん劇場上映時比を指す)1.66 : 1 , Mono, 115 min( UK, 121min.) , B&W、ネガ、ポジとも35mm
他サイトに書いた自身のレビューを修正したものです。
Zealot

Zealotの感想・評価

3.9
犯罪/ ドラマ
大学の講義で見た
映画の良さっていうよりすとーりーかな、なるほどとしか
q

qの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

自分は特別だから普通の人たちに比べて生きづらいという心理。幼少期に降霊術に目覚めたらしいが、その頃何らかのコンプレックスを抱えた結果、承認欲求モンスターとして覚醒してしまったのだろうか。宗教のような閉塞的コミュニティの危険性、夫婦ならではの歪な共依存的関係を描きつつ、最後は夫婦愛に帰着するのは作り手の優しさを感じた。

このレビューはネタバレを含みます

幼い頃、叔母によって見いだされた霊能力
それを機に親族の前でその力を披露し注目を浴びてきた妻は
その能力を世間に知らしめるために誘拐計画を企てる…


* かなり詳しく書いているので
  レビューは観ない方がいいと思います。



  ☆ --------------------- ☆



          ネタバレになるので
  ↓  作品が気になる方は閲覧しない方がいいです。 ↓




再観賞
「降霊」のオリジナル作品
先にこちらを鑑賞してから黒沢監督の作品を知りました。
霊能力がない事を知りながらも
子を失った妻を哀れに思うがゆえ支配される夫
妻に対する想いと
罪悪感と理性の狭間で揺れ動く夫の良心
「子供を誘拐し、その母親を救えるのは私だけ」
自分の世界に陶酔し
日々の生活に潤いを感じ満たされてゆく妻の姿が怖い。
息子を抱けなかった母親が我が子を抱く姿
そんな妻を見捨てられなかった夫
二人の姿に哀しい気持ちになってくる。
サイコでもあり上質なサスペンス、秀作だと思う。
オカルトハラスメント
『降霊』を先に見ていたので、オカルト要素がほとんどないのに驚きました(ところどころで赤ン坊の泣き声がするくらい?)。かなりよくできた嫌夫婦サスペンスだったと思います。
リチャード・アッテンボローの強く行けない感じももちろんいいのですが、キム・スタンレーの自分の承認欲求のためだけに全ての行動を無意識正当化し、他人に強要する感じが怖くて腹が立ってなおかつ切なくて良かったです。おそらく幼少期の環境に問題があったのだろうというのを匂わせる程度ではっきりさせないのも個人的にはプラスでした。
hideharu

hideharuの感想・評価

3.0
2018.12.4 DVDで鑑賞。

この作品のことは子供の頃から知っていた。なんせパンフレットだけは持ってたからね。でもなかなか見る機会には恵まれず、これより先にリメイク版である黒澤清監督の「降霊」を見ることに。
リメイク版を見たら尚のことオリジナル版である本作が見たくなり先日何気に調べたらレンタルあるじゃんって事でやっと見た。

本作がサスペンス映画であるのに対して「降霊」はオカルト要素が強い。本作でも降霊会が行われているがヒロインに霊的な力があるのかどうかはハッキリとは言及していない。幽霊なんてもってのほか。
霊媒師の妻とその気弱な夫が誘拐事件を起こして名声を得ようと画策するがとにかく犯罪に対してはズブの素人なので見ていてハラハラする。その辺が見所。
あとは妻の情緒不安定さが凄くて、それに振り回されっぱなしの夫が最後に見せる感情の爆発など心理劇としても見応えはあります。
古い作品ですし、あまりにも丁寧に描写しすぎて2時間弱と長めなので今見ればちょっと退屈するかもしれませんね。なので黒澤清は心霊要素を付け加えたのでしょうか?
キムスタンレーは本作でオスカーにもノミネートされましたし見てて本当にこの人はおかしいのではと思わせるくらい良かった。夫のリチャードアッテンボローは「ジュラシックパーク」で有名かと思いますがキャリア後年は監督業が多かったかと。彼の演技もなかなかでした。
ヒッチコック好きな人は好きだと思う。

オープニングのじめじめした感じとか、ラストの妻のトランス状態とか秀逸。
派手さはないけど、堅実に面白くまとめている作品。
ホラーとかサスペンスぽいけど、シリアスが一番近い感じ!
>|