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ロッキー・ホラー・ショーのsensatismのレビュー・感想・評価

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)
4.2
2020/98
快楽的性とセクシュアリティからの解放。

見始めはジャネットとブラッド同様に「何、これ…?」とざわざわ戸惑っていたのに、館を出る頃合いにはすっかりと博士に魅了されてなんなら格好もセクシュアリティもそちら側の住人寄りになってる彼らと全く同じ境地に立たされる。

元祖応援上映と呼ばれている通り、観客はコスプレしながらお米投げたり水鉄砲噴射したりそれを新聞紙で防いだりヤジ飛ばしながら観てたらしい。映画を見るだけじゃなくて一緒に城館の中に迷い込んで追体験している。そして映画館出る頃にはすっかり館側の人間になってる。だからコスプレしてリピートする。
Transylvaniansがフランクン・フルター博士に心酔していたカルト的要素と観客がこの映画に熱狂していた過去から40年以上現在に至るまでどこかの映画館で上映されているカルト的人気はまさにカルトムービーだ。

I'm just a Sweet Transvestite from Transexual, Transylvania.
(私はスイートな性倒錯 生まれはトランスセクシュアル星 トランシルバニア星雲にあるの)

開始早々濃いアイシャドウに網タイツ・ガーターベルトのファッションに身を包まれた博士がこの歌詞を披露する。
ロッキー誕生シーンの浴槽ではレインボーカラーがあしらわれている。
博士の手術用ガウンにはLGBTQの象徴であるピンクトライアングルが。
パンセクシュアルと自負する博士はジャネットとブラッドの処女童貞を奪う。
CandyMan(色男・男娼)を期待したおそらくゲイの執事。

性が持つあらゆる規範というものをぶち壊しにいってる。1975年に放映されたというのにこの新しさよ。
gleeのseason2-5でこの作品がオマージュされていたのだが、その際に"Sweet Transvestite"を歌った人物がメルセデスだったのが個人的にポイント。
女性かつ黒人の彼女が博士役を演じたのは今回のこの映画が果たせなかったものを果たした感があって良いな。

長々書いたけど楽曲も最高でしょ〜
大好きなミュージカルになったヨ。

Don't dream it, be it.
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