スタンダード

マンハッタンのスタンダードのレビュー・感想・評価

マンハッタン(1979年製作の映画)
5.0
【十戒】


ウディ・アレンは、
モーゼがパッカーンした紅海の如く、
コメカミからツムジにかけて
大きな割れ目ができています。


にも関わらず女性に不自由しないのは、
劣等感にもなり兼ねない
自身の容姿を逆手に取り、
ユーモアを駆使して唯一無二の個性
を作り上げたからでしょう。


それに比べて僕は、
紅海のパッカーンが閉じてしまい
逃げ遅れてしまったエジプト軍の如く、
個性が迷走しております。


【マン破綻】


建前は良くても、
冗談は不謹慎な扱いを受けてしまう。


どちらも嘘であることに
変わりはないはずです。


建前のみ許容される社会において、
人は知らぬ間に己を破綻させています。


【ジョーダンの品格】


A.周囲を笑わせるために
個人をダシに使うのか?


B.個人を笑わせるために
周囲をダシに使うのか?


僕の中で、
Aは単なる晒し上げであり、
Bが冗談であると考えています。


ウディ・アレンは、
Bのユーモアを追求しています。


個人をダシにする時は、
必ずそこに敬意も含まれているべきです。


【信頼】


主人公アイザックは、
人を信頼できない性格です。


と言うよりは、
自分自身を信頼していないのかも。


彼は愛している相手とではなく、
身の丈にあった相手と一緒になろうとする。


しかし、
その女性が果たして身の丈に合う女性か?
自分の価値を見失ってはいないか?


彼が最後に見せた笑顔は、
愛する人の前でしか見せられない笑顔でした。