ろ

マンハッタンのろのレビュー・感想・評価

マンハッタン(1979年製作の映画)
5.0

「N.Y.は彼の永遠の都だった。」


42歳の放送作家アイザックは、17歳の高校生と交際中。
一方、彼の友人は不倫相手メリーに夢中だった。
彼女はなんとも鼻持ちならない女性で、アイザックはウンザリするけれど・・・。

癌になると笑いながらも、自分をカッコよく見せたくてふかす煙草。
金なら貸すよと言われても、ガンジー式生活なら1年は食えると強がってみる昼下がり。
ベルイマンをバカにされて怒り心頭のアイザックは、自分も何かをバカにしながら、ぼんやりと死を想う、あのウディ・アレンだ。

この女のどこがいいのだろうと首を傾げていたはずなのに、二人で散歩してボートに乗って、いつのまにか一緒に暮らすようになった。
突然の雨、アイザックは彼女の新聞を傘にしながらプラネタリウム(科学館)に駆け込んだ。
ボートで話をしながら川に手を突っ込むと、指が泥まみれになった。彼女は声をあげて笑っていた。


「2001年宇宙の旅」のHALみたいな声だったから、今日別れ話をするんだって分かったの。
男が「大丈夫?」と尋ねると、
「首でも吊ると思った?私は美人でインテリで、何でも思いのままよ。あなたとの仲が何だって言うの。一緒に寝る男なんてゴマンといるのに」
そう啖呵を切り、男と行くはずだったコンサートのペアチケットを置き去りにする。
本当は寂しくて悲しくてたまらないはずなのに、こうやってスラスラ言えちゃうの。
なんてチャーミングなんだ!と、目がハートマークになってしまいました。


惑星から惑星へ、宇宙を歩く二人はシルエット。
Rhapsody in Blue にのせて、また花火が打ち上がる。






( ..)φ

これ、めちゃくちゃ好きだー!
ショーウィンドー越しに「あっちのヨットがいい」「いやこっちがいい」って子どもと言い合って、結局お父さんが折れるところとかサイレント映画みたいだし、友だち夫婦とオペラに来たけど全く集中できない場面なんか笑っちゃった。

テイクアウトした中華をベッドで食べながら映画観たり、でっかいカボチャくり抜いたり、やってみたいことが詰まってる。
この季節にピッタリの一本です。
ろ