さすらい農場

ソフィーの選択のさすらい農場のレビュー・感想・評価

ソフィーの選択(1982年製作の映画)
3.8
男女3人夏物語 in ブルックリン 1947
南部から来た作家志望の青年スティンゴ
初夏の空のように気性がコロコロ変わるネイサン
魅力的だけどどこか影のあるソフィー

3人ではしゃぐコニー・アイランドの眩しさと対比して、暗く壮絶なソフィーの過去が語られる。
ソフィーの腕にはアウシュビッツ収容所の囚人ナンバーが刻まれている…
不適合者は[処分]される冷酷なシステム。
人間性を失った世界は地獄。

若い頃は色々ある…どころではない。
残酷な時代の犠牲者は、生きている限り苦しみ続ける。当事者にとって戦後は無い。
ソフィーが迫られた[究極の選択]は、人生を破壊するほどの恐ろしさ。
ソフィーの傷の深さを胸に刻む。
誰の心にも[怒り][哀しみ]そして[希望]はある。
あまりにも大きな[哀しみ]を抱えてしまったらどうすれば良いだろう?
答えは見つからないが、出来る事は[思い続けること]だけだろう。

やり切れなさの中で、時代の夜明けを告げる名作。
世界も人も過去を抱えながら、また明日が来る。