Dumbo

ソフィーの選択のDumboのレビュー・感想・評価

ソフィーの選択(1982年製作の映画)
4.2
“選択を重ねてその人の今がある”


これは本作ではなくて、
『マディソン郡の橋』に出てきた言葉です。
たまたま同じメリル・ストリープの。


“選択”というワードでこれを思い出したんですが、関係なくてすみません💦



年末に観た映画のレビューをゆるゆると書いて投稿します。



女の人生は選択の連続…
しかし、たとえどんな選択をしようと、
完璧な選択などないから、
“選択”には後悔や罪悪感は付きもの。

私も昨年はちょっとした人生の選択を
しなければなりませんでした。
ソフィーが直面した選択とは
比べものにならないような事ですが…


今作は、
悲しいし、辛いし、苦しい…
けれど
「良い映画を観た」
という気持ちになりました。


美しく、どこか儚げな
ソフィーという女性と
普段は優しいのに突然怒り出す
ちょっと風変わりな気性の激しい男性。
そして、同じアパートに引っ越してきた
作家志望の若い男性。

この3人の最初の楽しげな様子…
その時のソフィーと、
後半の、彼女の壮絶な過去の回想部分とはまるで別人のよう。

後半の、
何かを心に閉じ込めたその美しさは
深い悲しみと怒りからできたものだったんだ…
幸せになりたいけれど、
自分は幸せになってはいけないと
もうひとりの自分にささやかれているような。


ソフィーのその“選択”とは…

母親の立場で観ると
恐ろしくてとても苦しかった。

ソフィーにとって最悪の選択、
母親にとっては、とうていできない選択…
子どもの泣き声が今も頭から消えません。


ネイサンの、突然態度が変わるDVでモラハラな感じは本当に恐ろしかったけど、
彼にもまた悲しい“事情”があって、
切なさが倍増しました。

後半に次々と明かされるソフィーの過去にも母として女として共感し、
苦しくて泣きました。

この時代、ソフィーのような女性はたくさんいたんでしょうね…
いやむしろ、そこにいた全ての人に、
それぞれ、ひとりひとりのストーリーがあったんだろうと思う。


そしてもうひとつ、
最後のソフィーの選択とは…

もう苦しまなくていいように。
まるで、
罪悪感を抱えながら生きていくことに疲れたように…
でも、それもまたひとつの選択。



辛くて観たことを後悔する映画と、
辛くても観て良かったと思う映画…
この作品は後者でした。

何でしょうね?この違いは…



誰もが、
少しでも楽に息が吸える場所を探して、
人生で何度も何度も
選択を繰り返していくのだろう。

きっと私も、
これからも何度も選択を繰り返しながら、
不器用に生きていくんだろうな…



SOPHIE'S CHOICE
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