この作品、何をどうレビューしたらいいかな。
一ミリも目が離せなかったのに、レビューを書くのがすごく難しい。
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ストーリーの内容はまず置いておいて、
メリル・ストリープが美しい。
今ではおばちゃんのイメージが強いけど、こんなに美しかっただなんて。
真っ白な透き通るような肌、フェイスライン、ブロンドヘア、真っ赤な口紅、ボディライン
ーー美しかった。
秘書シーンは全身全霊で収容者だった。歯までも。
本当に凄い女優さんだ。
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ユダヤ人を抹殺するだなんて計画を立てた人が、ナチス以外にもいたことを知らなかったのでとても衝撃的だった。
最近「復讐者たち」という本を読んでいたので、ユダヤ人であるネイサンの書斎を見たときは、本に登場する復讐者の一人なのかなぁって思った。
(違ったけども。)
(「復讐者たち」は、ユダヤ人がナチ戦犯を一人ずつ見つけて復讐していく、今尚続く実話です。)
ソフィの人生が壮絶すぎて鑑賞中はタイトルを忘れていたけども、
「ソフィの選択」
鑑賞後、ジャケットを改めてみてみるとタイトルの意味がよく分かった。
ああ、そういうことか。
ハッとする。
最も苦しく胸が引き裂かれる思いをしたあのシーンだ。
確かに人生は選択の繰り返しだけども、あれほどに選択できない選択はないだろう。
思うことはたくさんあるのに、思うようにレビューが書けない。
どんな言葉を並べても、感情を正しく表現できない気がして。
これは私の感覚だけども、
ソフィは死、ネイサンは生と死を行き来、スティンゴは生 という印象。
ソフィがスティンゴへ「選択」の話をした後に抱き合っていたことにグッと来てしまった。
心はもうとっくに死んでしまっているのに愛を、人との繋がりを求める'寂しさ'を痛感した。
普段は尊厳死も手放しに受け入れられない私だけど、ソフィの死に対してはある種、安堵だった。
悲しみももちろんあるけど、それは亡くなったことへの悲しみではなく、こんな人生を歩まざるを得なかったソフィと時代背景への悲しみ。
「あぁ、やっと解放されたね。」
死を悲しむこともできずに、こんな風に思うことがあるなんて・・・
死を悲しむことができないってこんなに悲しいことなんだな。