きょんちゃみ

ソフィーの選択のきょんちゃみのレビュー・感想・評価

ソフィーの選択(1982年製作の映画)
5.0
第二次世界大戦が終わって2年後のニューヨークに、南部からスティンゴという若者が上京してくる(この経歴は『天使よ故郷を見よ』(1929)を書いた作家のトマス・ウルフが重ねられている。)。

スティンゴは、ニューヨークは家賃が高いので、ニューヨークの対岸のブルックリンに住むことにした。同じ下宿にはソフィーとネイサンが住んでいた。ソフィーはポーランドから移民してきたばかりで、内向的なエミリー・ディキンソンの詩が好き。それとは対照的に、ネイサンは詩人のウォルター・ホイットマンが好きな乱暴者だった。

ソフィーは戦前のポーランドで、父の反ユダヤ論を広めるためにタイピストとしてナチスに協力してきたのに、ナチスはその父を殺害し、ソフィーの夫も殺し、娘と息子はどちらかを選んで、選ばれなかった方は殺すと言った。ソフィーは息子を選び、娘は殺された。

ユダヤ人であるネイサンは、死にたいと思ってきたがここまで生き延びて来てしまったというソフィーを責める。自分の選択を後悔し償いたいと思っているソフィーは、ネイサンを愛する。それを、作家の卵であるスティンゴは見守ることしかできない。

そしてついにソフィーとネイサンは固く抱き合ったまま自殺する。ふたりが眠るベットには、エミリー・ディキンソンの詩集が置かれている。
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