カルダモン

フラッシュ・ゴードンのカルダモンのレビュー・感想・評価

フラッシュ・ゴードン(1980年製作の映画)
3.2
Queenのテーマソングと共に現実が一気に遠ざかる。どう見てもカズレーザーなビジュアルの元アメフト選手フラッシュゴードン。そして、どう見ても大駱駝艦の麿赤兒を彷彿とさせる悪の皇帝ミン(マックス・フォン・シドー)。
吊ってるようにしか見えない鷹男。焦点がどこに合っているのか不安になるトカゲ人間。
翻訳が変なのか元々そういうセリフなのかチグハグな文法。ゴードンのTシャツには思いっきり「FLASH」の文字が。無視しようかと思ったが主張が激しすぎる。バックプリントには稲妻マークを配するセンスに脱帽。カットが切り替わるとともにシャツも変わってるが、見間違いか?
シリアスなはずの局面でマヌケなカウントダウンのSE。THE END?の文字がサイコーにダサい。
フォースチャット、この頃既にあったんだなあ。女とイチャついてる心の声がモロバレという見せ方もフレッシュ。
話がダレかけたところにムリヤリQueenのテーマソングをぶち込み、ギリギリ低空飛行で墜落を免れる姑息な手。途中から謎のテンションが漲ってきて、仕舞いにはジョージ・ルーカスがスターウォーズを生む一因にもなっていることに想いを馳せ、むしろ『感謝すべき!』などと感謝し始める始末。

と、このようにとんでもないポンコツ感が露呈しつつも、珍味として味わい深いから困る。とにかくヤバさが突き抜けている本作だが、エキセントリックに耐性のある方ならSF映画の懐の深さを垣間見ることでしょう。