ブタブタ

WANDA/ワンダのブタブタのレビュー・感想・評価

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)
4.5
70年代アメリカって走ってる車が全部キャデラックの大型車。
大量消費社会からヴェトナム戦争が暗い影を落としてる明るいけど空虚で寒寒しいアメリカ社会の末端に生きる、ある主婦の哀しくも切ないそれでいて滑稽で可笑しな逃避行。
主演のバーバラ・ローデンが監督だから兎に角WONDAが可愛くてオシャレで絵になる。
そのファッションといい何かワンダってハロプロのアイドルみたいにも見える。
アイドルみたいって言ったけどワンダの白痴的な、その醸し出すオーラみたいな物が人を惹きつけなんだかほっとけない気にさせる。
ある女の落ちていく様、みたいな粗筋説明だけどワンダの辿ってる人生ってずっと平行線。
落ちてもいないし上がる事もない。
受動的で流動的な、どこ行っても声掛ける人が居て其れにホイホイ着いてくワンダ。
結末も破滅も救いもなくただまだ「途中」で終わってしまうのが何とも言えない余韻を残す。
『ポニー&クライド』を『気狂いピエロ』で撮ったみたいな、映画に詳しい人程この映画がどれだけ凄いか分かる、みたいに書いてあるけど自分程度にも感覚的にコレは凄いもんだと感じる事は出来た。
バーバラ・ローデンさんはこの監督第一作だけ残し若くして亡くなってしまったのね。
この後作品沢山撮ってればカサヴェテスやゴダールや北野武等などと並び称される監督になってたかと思うと残念です。
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