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ラスト・ワルツのKKMXのレビュー・感想・評価

ラスト・ワルツ(1978年製作の映画)
4.2
 先日『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』を鑑賞したため、本作を観たくなりました。本作はザ・バンドの解散ライブであり、ゆかりのあるさまざまなミュージシャンをゲストに呼んだ豪華なものであります。

 本作は『かつて僕らは〜』の語り部であるギタリスト・ロビー・ロバートソンが企画し、バンド解散も彼が主導しました。他のメンバーは解散に反対で、かなり反目しあった状況でのライブだったようです。それでも有終の美を飾るためか、内容は大変素晴らしいです。
 監督はマーティン・スコセッシ。あらかじめ映像化を目的としてとしたライブだったようです。本作はロック映画としてもかなり有名な作品だと思います。

 え〜、俺はロック好きで、仲良くしているフィルマ仲間にもロック好きな方々が多いです。
 しかし!ザ・バンドは自分のフィルマ仲間の間では意外と聴かれていないっぽいことが判明!
 そのため、本感想文はYouTubeのリンクを貼っ付けて、あーだこーだ言うことにします。リンクはすべて本作『ラストワルツ』から!ま〜、観て聴いてくださいな🥁


https://youtu.be/ho-RVRBg5D0
The Weight (with The Staple Singers)
【和訳付き】
ザ・バンドの代表曲です!
ステイプル・シンガーズというソウルグループと共演してます。
2:38からベースのリック・ダンコがヴォーカルを取るのですが、これが熱いッッ!シブい連中が揃っている中で、リックはロッカーらしい衝動性を持ち合わせていて、歌にエネルギーがほとばしっています。もちろんメインのドラマー兼ヴォーカルのリヴォン・ヘルムの土臭い声もイカします。
また、3:51からのハンドクラップが激アツ!ソウル/ゴスペル系のミュージシャンは手拍子もカッコいいです!
『その荷物を降ろして、自由になるんだ 俺が運ぶからさ』


https://youtu.be/44wDwMQVqCc
Caravan (with Van Morrison)
個人的に本作のハイライト!
ヴァン・モリソンはアイルランドのソウルシンガー。この小太りに不似合いな紫のラメシャツ、しかもうすらハゲというルックスですが、歌は超絶カッコいい!
あとね〜、ヴァンの眼光が説得力あるんだよね!ブサメンだけど面構えが良くてしびれます!
終盤は『わんもあたいむ!わんもあたいむ!』と絶唱しながらハケるのですが、4:19あたりでダーンというキメと同時に上げる足がチョコっとしか上がらず、それが逆にイカしますね。パフォーマンスが見せるためのものではなく、内側からせり上がってきたものがバーンと現れた、みたいな誠実さを感じます。ヴァン・ザ・マン最高!


https://youtu.be/6dDbnwQlCek
The Night They Drove Old Dixie Down
ヴォーカル/ドラマーのリヴォンの独壇場!
リヴォンのパフォーマンスはめっちゃ胸に迫りますよ!絞り出す声と、あと顔ね。リヴォンの顔はとにかく説得力がある。その辺にいる南部のオッサンって感じがいいんですよ。
この曲は南北戦争で敗れた南軍側の立場で悲しみと不屈の魂を歌い上げたもの。
ザ・バンドではリヴォンだけが生粋の南部人で、あとの4人はカナダ出身。その複雑な個性もまた彼らの魅力です。


https://youtu.be/SEsX0u-e0ww
Forever Young (with Bob Dylan)
【和訳付き】
ボブ・ディラン御大との共演。
ザ・バンドはディランのバックバンドを務めていた時期もあり、ゆかりが深いので、本作でもトリで登場。
『いつまでも若くいられますように』という歌詞ですが、『いつまでも変わらずあなたのままでいて』というメッセージが伝わってきます。変わってしまい、別れを迎えたザ・バンドのラストライブでこの歌をチョイスするのが切ない。


https://youtu.be/08D3xxnreG8
Evangeline (with Emmylou Harris)
【和訳付き】
美人カントリーシンガー、エミルー・ハリスとの共演。
とりあえず和訳モノを発見したのと、エミルーが自分好みのロングヘア黒髪美人なのでリンクを貼りました。
歌詞はカントリーらしく情念が濃くドロリとしてます。



 本作は素晴らしい作品である一方、ラストライブの寂しさがあり、さらにリヴォンとロビーの確執はリヴォンが死ぬ直前まで続いた(あくまでロビー視点なので確執は消えなかったかも)背景を知るとさらに悲しくなるので、後味はあまり良くないです。その無常感も本作に特別な価値を与えているとは思いますが。

 それでも、お気に召しましたら是非!
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