あをによし

ラスト・ワルツのあをによしのレビュー・感想・評価

ラスト・ワルツ(1978年製作の映画)
3.6
「大音量で上映すること!」の字幕の後、酒瓶片手に出てきたロビーが「何だ、まだいたのかい?じゃあ、もう一曲やろうか」と言って、アンコールの“Don't Do It”を演奏する…この冒頭だけで痺れます!
若き日のマーティン・スコセッシが監督した1976年のザ・バンドの解散コンサートのドキュメンタリー映画。ボブ・ディラン、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、エリック・クラプトン、リンゴ・スターやマディ・ウォーターズまで、彼らの解散に駆けつけた大物ミュージシャンたちが次々とゲストとして登場し、ザ・バンドと共演する超豪華な音楽フェスの様相は垂涎もの。豪華と言えば、撮影も、『タクシードライバー』のマイケル・チャップマンや、ラズロ・コヴァックス、ヴィルモス・ジグモンド、ヒロ・ナリタなど、実力派カメラマンによるもので、映像の臨場感も折り紙つき。演奏は差し替えられてるものもあるようですが、まあ、そこはあくまで映画ということで…。いずれにしろ、デジタルリマスター化されて鮮明になった音と映像は一見の価値あり、です。音楽ドキュメンタリーながら、華やかさと寂しさが入り混じる、スコセッシらしさ全開の作品。上映期間中、毎日通って観たいくらい。「何だ、まだいたのかい?じゃあ、もう一曲やろうか」
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