柏エシディシ

ラスト・ワルツの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ラスト・ワルツ(1978年製作の映画)
4.0
40周年記念リマスター版をキネ旬シアターにて。スクリーンで観れて感無量。
言わずと知れたスコセッシによるザ・バンド伝説の一夜、ライブドキュメンタリー。
冒頭から圧巻のパフォーマンスの連続。
まぁ、つべこべ言わずにロックミュージック好きは観た方が良いです。
観てない人は損しております。

個人的にこの映画が本当に面白いなぁと思うのは、自分の音楽的嗜好性の変遷で、観るたびにグッとくるところが違うところ。
若い時分には、「なんだか古めかしい雰囲気だなぁ。クラプトンは知ってる。ボブディランってこんな人なのかーイメージと違うなぁ」ぐらいにしか思わなかったもんですが、それなりに洋楽聴くようになり、ロック史にも通じフジロックなんかに行くようになると、「ニールヤングやたらと嬉しそうじゃねぇか!ジョニ・ミッチェル、エロいなぁ」となり、ドクタージョンの格好良さが解る様になるという。
そして、歳を重ねると共に、グッドルッキンなロビーロバートソン推しから、男の渋みを滲ませるリヴォン・フォルム推しになっていくという、、、w
そして、今回の鑑賞では、ブラックミュージック寄りの音楽を聴いてる所為か、ステイプルズとの共演シーンに目を潤ませる、と。
また10年後観たら、また印象違うだろうなぁ。そう思うと、楽しみになってくる。

あるバンドの解散コンサートの映像作品なんて、この世にごまんととありますが、ここまで広がりや豊かさを持って長く楽しめる作品はそうはないのではないでしょうか。
もちろん、ザ・バンドというバンドの音楽的な厚みや深みもあればこそ。
そして、当時新進気鋭の映画監督であったスコセッシが最高の撮影スタッフで捉えたカッチョ良すぎる映像あればこそ。

その後、ザ・バンドは再結成もあり、リチャードの自殺もあり、と物語は続いていく訳ですが、1978年のこのタイミングでの、この夜。なにかロックの青春期の終わりを象徴するようで、何度見てもセンチメンタルな気分になってしまいます。
産まれる前の映像だと言うのに!w
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