滂沱の涙。広い1階とカウンター、手すりのない狭い階段の上にピアノと歌手が載るのがやっとくらいの宙吊りのような2階とそのカーテンの向こうに小さな楽屋兼寝室。ずっとこの酒場だけのワンシーン。この空間その…
>>続きを読む屋内セットの中でこれだけクレーンを自在に動かし高低差まで演出して、老いも若きも男も女も人生の断片が酒場の一夜にぽっと咲いて消えていく。津島恵子を照らすスポットライトが小杉勇や小野比呂志にも当たるのが…
>>続きを読む空間の使い方が驚愕的に上手い。ひとつの酒場だけで群像劇ってのは作り出せるんだな。飲み終えた客は店から出ていくけど、カメラだけは最後まで店に居座り続ける。
ラストシーンは凄い評判良いけど、「当分聴けな…
酒場でのあれやこれやです。冒頭のシーン右から左にじっくり酒場を撮られていて、その時点で素晴らしい酒場であることがわかりますよ。店のメニューがやたらと気になりますね。そこからわらわらと客が入店し物語が…
>>続きを読む大名作『飢餓海峡』の10年前に撮られた内田吐夢監督作。
いわばグランドホテル形式なるものの系譜の作品で、かなり実験的で凝ったカメラワーク、演出がなされておりそこは目を見張ったが、やはり今観るとお話…
灯りの落ちた大衆酒場を右から左にキャメラが移動するファーストショットから同じ光景をトラックバックして閉じるラストショットまで全てが室内劇でありながら、出入りする人々によって戦争の影も色濃く残す世相の…
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