つん

チャプター27のつんのレビュー・感想・評価

チャプター27(2007年製作の映画)
3.1
ジョン・レノンも、サリンジャーも好きなわたしには、マーク・チャップマンが憎たらしくて仕方なかった。
特有の子供っぽさや身勝手な立ち振る舞いがイライラするけど、その表現が上手だと思った。
特にあちこちにホールデンの口調や『ライ麦畑でつかまえて』の中のセリフがちりばめられてるので、余計に癇に障った。
小説を読み込んだ人が観ないと伝わらない箇所も多いと思う。
誰かを模倣してる人のみっともなさ(大抵オリジナルからほど遠い)がふんだんに表現されているので、これを見てから小説を読むのも良いのではと思った。
普段から音楽でも演技でも、誰かの影響を受けすぎてる人を見るとダサいと思うのはこういう要素なんだろうと思う。

しかし、ジャレッド・レトのお芝居のうまさ。
体系もさることながら口元のムカつく感じ、上手いなぁ。。
全部見終わってから、試しに吹き替え版を見てみたら、全然意図を汲めていないように感じた。これは字幕で観ないと伝わらない。

ジョン・レノンのドキュメンタリー的映画「イマジン」にも「自分のことを歌っている」と言いに来たファンを、ジョンが家に招き入れて食事を与えるシーンがあったから、こんなこと日常茶飯事だったんだろうと思う。
身勝手な1人の人間のせいで、大勢の人が不幸になるのは今も同じ。
だけど、歴史上もっとも大きなダメージの一つだと思う。
つん

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