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地下幻燈劇画 少女椿のkのレビュー・感想・評価

地下幻燈劇画 少女椿(1992年製作の映画)
3.6
あー、見ちゃった。なんだか見てはいけないものを見てしまった違和感。

今現在においても、ごく少数のVHSを除いてはメディア化を一切されていない作品で、今回はたまたまyoutubeにあがっていたものを鑑賞。みなさんもぜひ。

見るつもり無かったんですが、昔実写映画化された時に予告編だけ見てたんで無駄にタイトルだけは頭の片隅に焼き付いてたんですよね、まぁ、見てみるか、と。そしたら、一気見。もうこれは言葉なんかいらないから一回見て! とこんな感じです。簡単に「グロい」とか「怖い」とかで表現されてますが、その通りと言えばその通りだし、なんか違うと言えば違うんです。これは言葉で表現すると陳腐に見えてしまうんでしょう。まさしく筆舌に尽くしがたい作品。とことん映像で人間をおちょくってきます。

基本的に絵のタッチとストーリーからホラーテイストだったので、見せ方としてはよくある顔の寄りからバーンと次のカットで急に見せてくるスタイル。面白かったのが、アニメを見てるのになんだか絵が動いてる感じがしないんです。で、ちょっと調べてみたら、元々紙芝居だったんですって。それで、あぁなるほど、と。紙芝居的な静止絵をペラっとめくってるイメージ、それなんですね。もちろんアニメとして見せてるところもありますが、セリフに合わせて口が動いていなかったりとアニメらしくない見せ方もちらほら。あと、絵のタッチがこれまたなんとも言えないというか、独特のホラータッチなんですよ。楳図かずお先生を彷彿とさせるような。でも、それと同時に違う既視感も感じつつ、思い出したのが江戸川乱歩! 作風といい、乱歩作品独特の表紙絵のおぞましさはまさにそれなんです。だったら怖いわけです。
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