大変な壮絶且つ悲劇の作品でした。舞台はチベットの高山地帯ココシリという場所です。この場所に生息するチベットカモシカの毛は「シャトゥーシ」といわれる高級毛織物の材料となり、密猟が相次ぎ生体数が激減しておりました。その密猟団とそれを阻止しようとする無償で志願した有志たちのパトロール隊との血に染まった抗争劇が本作であります。パトロール隊員が密猟団によって射殺されるシーンから始まり、その戦いが過酷を極めて非情に徹してました。
そしてこの話しは実際の事件を元にしているのです。本作のベースにあるのは、中国とチベットの関係にあります。雄大な自然を喰い物にして、チベット民族を弾圧して利益を貪る中国の愚行は今も問題になってます。だから事実を知って欲しいという制作者側の意志も感じることが出来ますし、民族の誇りを持つ男たちの姿は胸を打ちました。気圧されるほどの迫力ある作品でした。
