実は父親の余命宣告されてしまった。そんな時にも映画の中で答えを求めたい。
来たるべき日の時のために、覚悟とシミュレーションをしておきたい。
そこで最適なのが今作ではなかろうか。医師役の津川雅彦の元へ俳優兼、監督役の三國連太郎が入院してくる。要はがん患者が死ぬその時までの騒動を描いた作品だ。
もちろん29年も前の作品なので現代とは少々違うところもある。現代では癌ということを基本は本人に告知するし、延命措置も家族の同意が必要で勝手に行われることはない。
ただ癌患者の心情などは時代など関係なく、どう死と向き合っていくかはいつの時代も同じだ。本人が納得した死に方が一番なのだ。
ちなみに臨死体験を映像化しているシーンではデジタル映像が使われている。まだWindows95発売前のことなのでかなり最先端の技術を使っている。その制作会社が今や日本のCGで有名な白組。
しかしこうした幸せな死への物語を作った伊丹監督は謎の自殺をしてしまってるのがとても不可解だ。