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彼女が水着にきがえたらのodyssのレビュー・感想・評価

彼女が水着にきがえたら(1989年製作の映画)
2.7
【捕鯨砲の威力を見よ!】

ロードショウ当時はパス。BS録画にて初めて鑑賞。

ああ、こういう映画だったのか。
宝探しに、スキューバダイビングなどを加えて、バブル期ならではのお金のかかるレジャー志向というか、遊んで生きてます、みたいな映画。

実際、織田裕二は有給使いまくって宝探しをやっているし、原田知世も会社の火災訓練の責任者だったのに当日すっぽかしてしまう。仕事よりレジャーと恋、そういう時代・・・だったのかな?? 私的なことを言えば、私はバブル期もつつましく生きていて、むしろバブルが崩壊してからちょっと生活が贅沢になったように記憶している。要は私ってトレンディ(ってのも当時流行った言葉だが)じゃないんだね。

それはさておき、この映画で目を惹くのは織田裕二でも原田知世でもなく、谷啓なのだ。色々な職を転々としてきた中に、捕鯨船での銛撃ちってのが入っており、しかもこの映画では捕鯨砲が重要な役割を果たしているのだから。

ちなみにこの映画が作られたのは1989年だが、南極海での商業捕鯨は1980年代後半までだから、時代的にはちゃんと合っているのだね。
さらに、喫煙もしゃれたタッチで肯定されているので、最近の禁煙ファシズム(笑)に染まっている人間は腹立ちで卒倒してしまいかねない(笑)。

もう一つ、この映画を見て今さらながらに思ったのは、東京って水路がこんなに多い街だったんだな、ということ。いや、実際そうなんだね。江戸時代、いや昭和戦前の日本も自動車交通があまり発達していなかったから、水路による物質の運搬が一般的だったのであり、昔は水路に近いところに工場や住居が多かったのだ。この映画を見ると、何となくそのことが分かる。

筋書き的にはどうってことない映画だが、見方によってはそういう発見がある作品でもあるのだな。ホイチョイ・プロがそこまで意識して作ったのかどうかはともかくとしても。
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