滝和也

オーバー・ザ・トップの滝和也のレビュー・感想・評価

オーバー・ザ・トップ(1987年製作の映画)
3.9
筋肉が盛り上がり、
血管が浮き出る、
闘志を掻き立てる雄叫び
が響き渡る!

燃えよ!スタローン!

アームレスリング世界選手権を舞台に奏でられる、過ちを犯した人生を立て直す為に闘う父、そして子の物語!

サミー・ヘイガーの名曲!
WINNER TAKE IT ALLが響く!

「オーバー・ザ・トップ」

久々80s傑作選です。もう80sのスタローンはカッコ良過ぎますね。ロッキー、コブラ、そしてその中でも、スタローン自身が気に入っていると言うこの作品。

卒業式に子供を迎えに行く、一匹狼のトラッカー、リンカーン・ホーク(スタローン)。名うてのアームレスラーである彼は息子のマイケルとは10年振りの再会だった。離婚した妻が病に倒れ、彼はカリフォルニアまで息子マイケルを病床の妻の元に送る。狭いトラックの中で遠く離れていた二人の心は近付いていく。だが跡取りの無い妻の祖父はホークを良くは思っていなかった…。二人は引き離され、そしてアームレスリング世界選手権が行われるベガスへ…。

父と子の心の距離を埋めるロードムービーであり、見ているものが手に汗握る格闘スポーツものです。離れていた時間を埋める父と子の男同士の心の隙間を埋めるエピソードが丁寧に描かれ(まぁ多少カッコ良すぎであり、ご都合ですが(^^))ラストのアームレスリング対決に全てをかけ、人生を息子のために一発逆転しようとする姿に繋いでいきます。

「負けてもいいんだ!勝者の誇りを持ってさえいれば!」

この台詞が胸を熱くしますね。作中で上手く伏線が繋がり、身を持って示す父の背中に熱い涙が…。スタローンの熱き脚本の冴えでしょう。

アームレスリングと言うと動きが無いようで、盛り上がらないと思う方もいるかも知れませんが、これ程見ている観衆のカラダに力が入る作品は中々ありませんよ。盛り上がる観衆、汗が吹き出て、血管が浮き出る顔、盛り上がる筋肉、父の勝利を願う息子と次々に映るカット割の旨さでしょうか。この部分だけでも見る価値あります。

そして冒頭紹介した抜群にカッコいい主題歌。次々と勝ち抜いていくスタローンの姿に被ります。又オープニングとラストに使用されるロビン・ザンダーのIn this country。これも最高ですね。全盛期のF1中継のラストにかかっていた曲なのでお知りの方も多いはず。闘いし者を讃える名曲です。

細かい説明ありませんし、余計な話は一切なく、シンプルな作品です。単純明快な中に父と子と言う柱が立っている爽快なお話ですし、ロッキーと同じく、見ていると力が入りますが、その力を明日からの人生にもたらしてくれる作品です。スタローンのカッコ良さをご堪能下さい(^^)

追記 これが夕やけニャンニャンでロッキーのコーナーになる訳です(笑)わかる方はわかりますよね。
滝和也

滝和也