ロビンソン

孤島の王のロビンソンのレビュー・感想・評価

孤島の王(2010年製作の映画)
4.6
1915年ノルウェーにある孤島、バストイ島の少年矯正施設で起きた実際の事件を元に映画化。出演している大半のキャストはほぼ無名でありながら、ノルウェーで数多くの映画賞を授賞

バストイ島の少年矯正施設にエーリングとイーヴァルの2人の少年が収容される。その施設では、院長を初めとした教師たちが絶対的権力を持ち、少年たちは皆非人道的な扱いを受けていた
そこから脱走を図ろうとするエーリングだが...

矯正施設に送られてきたということは少年たちに何か問題があったということなので感情移入はあまりできないはずなのに、それ以上に問題がある大人たちが、暴力的に彼らを押さえつけている。
そんな不条理な生活から、少年たちには知らないあいだに友情が生まれる
特に優等生であるオーラヴとエーリングの友情はとても固くて、最後の2人のやりとりでのエーリングのセリフがすごく染みる。あんなセリフ普通言えない

本国ノルウェーではこの事件を知らない人も多かったそうで、黒歴史?扱いをされていたらしい。
静かに、終始重苦しい雰囲気に包まれているけれど考えさせられる映画だった