なんだかスピリチュアルなタイトルが違和感でしかない今作。
刑務所ものイコール脱獄って刷り込まれてた分、意表を突かれる物凄いお話だった。
同監督作品は『ゴールデン・リバー』『リード・マイ・リップス』(コチラは今一歩ハマりきれず未レビュー)と3作目だけれどコレは面白かった。
レビューで目にする『ゴッドファーザー』感は、ストーリーはもとよりエンドロールで流れる重厚且つ沁みる音楽による所も大きいのかも。
19歳のいわゆる若造が頭脳と豪胆さでのし上がる、言葉にするとありがちなんだけど、何せ描き方が物凄い!抉さ!生々しさがとんでもない。
とりわけ序盤、アレを口に隠し持つシーンは見ていられなかった。とてもじゃないけど有り得ないし痛すぎる!
主人公を演じたタハール・ラヒムの良くも悪くもフレッシュさ、若者らしさをビシビシ感じる。それが頗る魅力的でもある。
今作がデビュー作と後で知って更に驚き。
赤ちゃんに見せる優しい表情、ひととき漂う穏やかな時間からガラッと一変する緊張感。クライマックスに至っては呼吸する事すら忘れるくらい尋常じゃない緊迫感だった。
多少ついて行けないシーンを差し引いても凄まじく見応えのある作品だった。
通してキレのある演技とキレのある映像?そして語弊があるかもだけど、カッコ良い作品だった。
ただ、やっぱりタイトルの違和感。