まいこ

預言者のまいこのレビュー・感想・評価

預言者(2009年製作の映画)
3.0
人種間対立の激しい刑務所に放り込まれた無学で孤独なアラブ系フランス人青年が過酷な世界で生き延びていく中でのし上がって行く姿を描いたサスペンス映画。

刑務所で6年の刑に服す19歳のアラブ青年マリクは、所内を仕切るコルシカ人のマフィア・グループに奴隷のように扱われていた。そんな環境の中、マリクは徐々に読み書きを覚え、刑務所での独自のサバイバル方法を身につけていく……。

長い。成り上がっていく姿を描ききったところは素晴らしいが、同じことの繰り返しだしボスの特権範囲が広すぎて流石に汚職が過ぎないか?と、気になる点が多少目につく。
預言者という題にもあるように主人公がマホメッドであり、最初の男が大天使ジブリールといった宗教的観念に基づいた描写がある。それが尚更「現状」と乖離する訳で、現実は甘くないのを痛感する。
無学と身寄り先が無いという理由で命を失くすようなことが少なくなって欲しい、と思いを馳せてしまった。

英語や舞台装置が駄洒落だったり、多重の意味を持ち、それに気づく楽しさは主人公が"学ぶ"につれて地位が高まったように、文化を学ぶことで知見が広がるというもの、そのものの体現のようだった。
まいこ

まいこ