ちろる

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのちろるのレビュー・感想・評価

4.4
天国のドアをノックする前に、はちゃめちゃやってしまおう。
世の中の秩序だとか、法律だとかに怯えないで、バカやりまくって、
もう時間がないから、天国で仲間はずれにならないように、あした 最高に美しい海を見に行こう。

ずっと、ずっと観ようと思っていてようやく観れたロードムービーの傑作。
何なんだ、これは!オープニングからラストまで余す事なくおしゃれすぎる。
しかもただのおしゃれムービーではない。
粋な脚本、スタイリッシュなカメラワーク。
おっさんと銃の作品はそんなに得意ではないけれど、これはかなり好き。
余命宣告された男同士が病院を抜け出して残りの時間を刹那的に残りの時間を過ごすというストーリーで、
「最高の人生の見つけ方」はこの作品を参考にしたのかもしれないと思ってしまうのだけど、あちらよりはもっとハードボイルド。
天国ではいま、海の話が流行ってるらしいから、死ぬ前に観に行こう。
という、おっさん同士とは思えないロマンティックな会話から、ギャングとのドンチャン、盗難、強盗、セックスと、男臭い展開を挟んでいくので余命ものという事を忘れてしまう。
そして映画史上でも語り継がれる美しいラストシーンへ。
これがあったから忘れられない名作になったといっても過言ではない。
エンドロールの終わりまで、丁寧に丁寧に描かれた作品でした。
ちろる

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