次の日仕事があるにも関わらず、友達と始発まで飲むことがよくある。始発の時間が迫るにつれて、段々と焦燥感とか後悔みたいなものが胸を込み上げてくる。
比較するものでもないことはわかっている。が、ルディとマーチンも海を目指す旅が終わりに差し掛かる時、同じような気持ちを何百倍も濃く味わっていたんじゃないか。
死を待つ病室で出会った2人は、大金と銃が詰まった車に乗り、様々な人に迷惑と金を振りまきながら海を目指す。なんて前向きな刹那的な逃避行なんだろう。ボニーとクライドとは似て非なる彼らの旅路とその友情、そして最期に乾杯がしたくなった。
どうか天国でもテキーラを塩とレモンで呑みながら、海の話をしていてほしい。
「天国じゃみんな、海の話をするんだぜ」