サラミ山カルパス

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのサラミ山カルパスのレビュー・感想・評価

3.5
御涙頂戴余命ものアレルギーの私ですが、幸いにも本作でアナフィラキシーショックは発症しませんでした。

やっぱり「余命」という設定は、最も手っ取り早く物語を感動的にすることができる方法だと思う。現実世界では本当に多くの人々が重い病に苦しんでいるわけだけど、一方フィクションでは設定に病名や余命を書き加えるだけで終わり。だからこそ、そういう設定の登場人物を描く作り手にはそれ相応の責任があるとさえ思う。本作の「死ぬ前にバケットリストの項目を達成する」という流れは正直あまり新鮮ではない。都合の良い点もあった。でも、コミカルさのおかげで湿っぽいあざとさはなかったし、何よりラストシーンが強烈で心に残った。あれは凄い。

生を感じられるのか、死を感じてしまうのか。それが良い余命ものなのか否かの境目な気がする。

「海を見てみたい」か…






進撃の巨人読も。
サラミ山カルパス

サラミ山カルパス