牝犬の作品情報・感想・評価

「牝犬」に投稿された感想・評価

心底馬鹿馬鹿しくって最高。主演三人の顔がキテて、全員ほんとうに愛すべきゲスさを持ってる。
ケーキが冒頭に出てくるが、ミシェルシモンが丸い眼鏡をしていて歪んだ感じの映画だと一目でわかるようになってる。彼が鏡を見ながら自画像を描くという、ミシェルシモンの顔が三面に分裂する場面は物凄く恐ろしい。照明も後々のフィルムノワールを思わせる作りであると同時に、外ロケ同録のためヌーヴェルヴァーグさえも予告させる。
殺人の現場でバイオリンがずっと鳴り響いているが、ふつうに見ていると、黒澤明がよく使う対位法なのかな?と思ってしまうが、この場面で大事なのは音が鳴り止む時。女の死体が見つかってあたりの空気が変わったことを示す、まさにゾッとする瞬間を描いている。トーキー初期とは思えない演出
ルノワールがヒューマニズムとかそんな黒澤明とかキャプラ的な通俗性なんざあるはずもない、代わりにあらゆる小悪党だろうと魅力的に描く、素晴らしさがある。
裁判所が出てくると人物が動けなくなるので、画面が窒息する。
ラストのエピローグこそまさしく映画だ。かつてハメられた仲でもすべてを失って乞食になりゃもう仲良し。
YAZ

YAZの感想・評価

4.3
女を喰いものにする男、喰いものにされながら男を喰いものにしている女、その女に喰いものにされてる男、その男と同居している夫を亡くした悪女、その悪女の実は生きていた男。5人の男女の欲望劇を悲劇でもなく喜劇でもない丁度良い具合で見せる。最後の方は結構なことになり裁判やら刑務所やらも最後の最後はある意味強烈。死んだらオシマイだ。
tk33220

tk33220の感想・評価

4.3
エピローグの破壊力が物凄い。絵が飾っているショーウィンドウからカメラが後退していく流れが最高。
U

Uの感想・評価

-
2019.4.2 DVD #83

内容の救いようのなさ(ある女性を好きになって貢ぎ続けた結果、身を破滅させる男の物語)にもかかわらず、そのような陰惨さを感じさせない。

本作は冒頭と結末に人形劇の舞台が配され、本篇自体は劇中劇というメタ的な構造をもつ。
ダンスシーンが目回りそうでワロタ。
No.60
ミシェル・シモンが平凡なオジサン役とかあり得ないだろと思ったら、その配役発表の時にマリオネットが殴りあってて草。
SN

SNの感想・評価

4.3
モーリス・ルグランは(ミシェルシモン)憂鬱だ。仕事は退屈この上なく、家に帰っても口喧しい妻がいる。だが幸運なことに彼には絵画の心得があった。キャンバスに向かう時だけは、自分を取り囲むあらゆる煩わしさから解放されるのだ。そんなある晩、帰宅途中のルグランは、デデという男に打たれる可憐な女性リュリュに出会ってしまう。
「今から皆さんがご覧になるこの作品は、悲劇でも喜劇でもない。この作品にはいかなる道徳的な目論みもなく、何かを証明するということもない。登場人物たちは英雄でもなければ、慇懃な裏切り者でもない。彼らは、私やあなた方のように、かわいそうな人々なのだ。主要人物は三人。彼女、彼、そして他人。いつものように。」
ルノワールの2本目の作品。まるでギトリの「いかさま師」や「毒女」のように、マリオネット劇のギニョールがこの作品全体への弁明をする。我々は、子供たちが息を呑み、目を凝らしながら幕が上がるのを待つかのように、ミシェルシモンの登場を心待ちにする。ギニョールは続ける。「「彼」は善良な男で、そんなに若くはなく、そして極めてお人好し。教養的で感傷的な文化というものは、彼が生きる環境の上で展開されている。そのために、この世界では、彼は愚か者であるかのように映る。「彼女」は、まだ若く魅力的で品のない性格である。彼女は常に正直で、常に嘘をついている。「他人」は直情的なデデである。ただそれだけ」そして、ついに幕が上がる。
のちに政治(コミュニズム)へとコミットしていくルノワールだが、この作品においても、署名をしない画家というモチーフがすでにその色を感じさせる。そして、アンドレバザンが「自分がそうであるということを知らない職人」と称した「かわいそうな人々」の一人であるルグランは、その凡庸さで以ってして小市民のモデルを担うことになる。そして、ルグランは「自分がそうであることを望まなかった殺人鬼」と付け加えるのだが。
といった具合に、横糸の間にいくつもの政治的配慮がなされた縦糸の絡まる作品ではあるが、シンプルな筋立てと意外な結末で楽しめる。特に、絵画を中心にして繰り広げられる紛擾がとても面白く、ああここでマネのオランピアか、とか、ああこれルノワールの親父の絵じゃん、とかいった楽しみ方もできる。
黒藤

黒藤の感想・評価

4.5
有楽町朝日ホール
spacegomi

spacegomiの感想・評価

3.8
「人生は素晴らしい」と謳いながら雨中を帰宅して待ち受けている修羅場をみせる際、ミシェルシモンからの視点で下品に大写しにすることなく、雨に濡れた窓越しに外から室内をゆっくりパンするカットを一つ挟むことで緊張感をもたらす。とはいえ全体的に大らかさが漂うのはミシェルシモンの演技の果たすところがかなり大きいと思う。ここから素晴らしき放浪者に繋がるわけか。
さ

さの感想・評価

3.5
中盤までは退屈に感じていたけど、妻の元夫が出てきたあたりからすごく良かった。これのミシェルシモンが素晴らしき放浪者に続くらしい。
>|