らんらん

地上のらんらんのレビュー・感想・評価

地上(1957年製作の映画)
3.5
監督は吉村公三郎、カラー作品
主演は川口浩、ヒロインに野添ひとみ、助演は香川京子、田中絹代、佐分利信などなかなか豪華な出演陣

【あらすじ】
大正期の金澤を舞台とした悲恋メロドラマ

少年(16.7ぐらい)川口浩は苦学生、母親(田中絹代)と2人の暮らしなので学費も滞納しがち(維新を境に家は没落し父が死んだことで生活が困窮)
おまけに住まいは置屋の二階を借りていて少年川口浩には良い環境とは言えない

そんな川口浩は顔見知りの社長令嬢野添ひとみのことがずっと好きで(小学校時代の同級生)想いが高まりラブレターを送ります

それを受け取った野添ひとみの返事は勿論オッケーだったので相思相愛な2人は燃え上がります
「私たちいつか結婚するのね」なんて語りあったり

ですがまだまだ子供な学生同士の熱愛はそううまくいかず、、、

【感想】
DVDジャケットの野添ひとみの長い髪がなびいている姿が印象的
ですが劇中そんなシーンはなかったようなw というか髪は長いことは長いけど思ったほどでもない、他の出演作ではもっと長い髪の映画あったと思う

ストーリーは苦い初恋物語って感じ
良くも悪くも若さ故に燃えあがる、好きなだけじゃダメなんですよねー
でも若いからそれが全てだったりもして、可笑しくもあり羨ましくもあり
「わたしを連れて逃げて」なんて言ったりしてねー、お互い純粋で真剣だから余計に苦しくなっちゃう
とどめは「わたしの全部をあげる」だもんねー、歯を食いしばって耐えた川口浩は偉い(逃げただけとも言えるけど)

この映画の川口浩はさりげなくモテてなー
野添ひとみをはじめ、芸妓の香川京子、親友の妹、全部初恋!全部実らず!

あとは、舞台となる金沢っで全然イメージがないんですがなかなか栄えてるなーって思った
京都のような古い街並み、そして花街もいくつかあるようだし
加賀百万石ってここなのかーと、かつては江戸大坂京都名古屋に次ぐ第5の大都市だったって聞いてもピンと来ないんだけど、その名残がまだあった時代なんだろうなぁ

最後に出演者メモ
主人公川口浩、その母田中絹代、叔父役で殿山泰司
ヒロイン野添ひとみ、その兄川崎敬三、その父母で清水将夫&三宅邦子
置屋の関係者で香川京子、上田吉二郎、山茶花究&清川玉枝、岡村文子

佐分利信は財閥の偉い実業家で香川京子を妾にする俗物
香川良介は川口浩の祖父、回想シーンで登場するのみ、たぶん佐分利信的な人物で私利私欲な俗物(モブな杉田康を痛ぶる)
工場関係者で見明凡太郎&潮万太郎、学校関係で小沢栄太郎&信欣三、滝沢修はお寺の和尚さん?で川口浩の人生の先生?
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