イチロヲ

転校生のイチロヲのレビュー・感想・評価

転校生(1982年製作の映画)
3.5
溌剌とした男子中学生が、幼馴染の少女(小林聡美)と小競り合いするうちに、精神の入れ替え現象を引き起こしてしまう。児童書「おれがあいつであいつがおれで」(山中恒・著)の映像化作品。尾道3部作の第1作目。

低予算のため、劇中音楽が不在。尾道の原風景と環境音、そして若手とベテランを交えた役者力で牽引していくスタイル。2人の秘密の会話が聞こえているはずなのに周りが無反応になるカキワリ現象が働いているが、役者陣の芝居は総じて良好。

あえて難点ついて述べるならば、男勝りの活動家として登場した少女が、男の姿になった途端に健気な少女キャラへと急変するところが挙げられる。性格付けがあまりにもブレているため、精神が入れ替わったときのドキドキ感が薄まっている。

とはいえ、映像作品で「性転換芝居」を徹底的に表現しようとする、野心は高く買うことができる。小林聡美の乳房露出にもサムズアップ。
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