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ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかたのペインのレビュー・感想・評価

4.0
監督はなんと90年代サブカルのカリスマ的存在であったあのハル・ハートリーの初期三部作《ロング・アイランド・ トリロジー》でヒロインを努めたエイドリアン・シェリー。本作でも主人公の友人役として出ていますね。

所々、ハル・ハートリーからの影響も感じるし、あとはこれは実際には違うみたいだが2000年代初頭当時からのアメリカの映画運動の1つである“マンブルコア”の流れを組んだ作品にも思えた。(※マンブルコアとはアメリカのインディペンデント映画の一種で、多くは若い白人中産階級の日常生活や人間関係を主題とし、きわめて低予算で製作される点に特徴がある。あえてエピソードの羅列にとどめ明確な物語構造を持っていないことも多いが、2000年代のアメリカ社会の新しい現実を描いている。)


なので本作はポスターのポップで可愛らしい雰囲気に反して妊娠や不倫、DVや女性雇用の問題等、意外とシビアな現実が描かれていたりします。


エンディングも大きな成長というよりは、一歩前に踏み出し自立した女性が現実的に描かれており品の良さを感じる。


ちょっと作品全体的に地味で垢抜けない印象もあるが、鑑賞後はジワっと心温まる小品ながら胸を打つ良作です。
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