こぅ

月光の女のこぅのレビュー・感想・評価

月光の女(1940年製作の映画)
4.1
【ローマの休日】等巨匠ウィリアム・ワイラー監督に
よる、【フィルム・ノワール】。

原題:は手紙、よりも邦題が優っている。

冒頭、静かな夜のシンガポールゴム農園の樹液から
穏やかな劇伴と流れる長回し、、そこからいきなり
◯声が響き渡る、カッコいいと言うのは不謹慎だが、
少々【衝撃の展開】からの幕開けで一気に掴まれる。

本作のプロットはシンプルそのもの。
犯人も犯行も明らか、犯人捜しでは無く、被告は
有罪⁈か無罪か⁈のサスペンス。だが、観終わると
そのプロット以上の【満足感】が得られた。

ウィリアム監督は、巧みな演出と派手な劇伴で
サスペンスを盛り上げるのが巧いな。
ブラインドから月光が漏れる陰影の妖しい美麗さ、
特筆は、中盤の被害者の妻(ゲイル・ゾンダーガード
)に会いに行くシークエンスで、無言の妻、形相は
もはや【ホラー並】の怖さだ。

裁判判決後(ラストへの伏線あり)手紙の件が再度
出てきて、内容を、、旦那に、、というシークエンス
で、これは事前には観る者に内容を伏せおき、
ここぞとばかりに、今読むべきだと、、
だが、、その心配 ゴム 用だった、、
その上を行く、彼女の衝撃告白を用意していた
からだ。エンタメが秀逸な脚本。

「愛しているから何でも許せる。」
究極に寛容な夫、、ここで2人は⁈

ここでのやり取りはリアルで男女共に響くなぁ。


ラスト、月光が美しい、、◯で
持って行き方は強引だが、伏線通りの
やっぱり!
そうでなくちゃ!という納得の結末。


*妻レスリー役、ベティ・デイヴィス(32歳)の
演技力の高さを堪能した。

ウィリアム監督の愛人だった。
こぅ

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