このレビューはネタバレを含みます
昔大学の授業で観た懐かしの作品。白血病の姉のドナーにするためにデザイナーズベイビーとして生まれた妹が、両親を訴える話。
これラストが原作と映画で真逆なんだよね。原作はかなり衝撃的。裁判に勝った妹のアナが、勝訴の報告を受けて裁判所を出た直後に交通事故で死んで、そのまま姉のドナーとして臓器提供されて姉が生き延びるんだったはず。映画は姉のケイトが臓器移植受ける前日の夜にそのまま死ぬんだよね。話としては映画のストーリーの方がスムーズというか普通の筋書きって感じ。原作は衝撃的だから、マイルドに変更したんかな?
両親を訴えた本当の理由が、死にたいと願う姉の望みを叶えるため。ドナーになるべくして生まれたとしても、それを恨んだりしなくて、姉のことを愛してるアナが可愛い。病気を通して家族の絆を描いてるのは、ありふれたテーマといえばそうなんだけど、やっぱり感動するよね。兄妹3人の絆が良い。良い兄妹だなぁ。アメリカ映画の家族が出てくるシーンって、なんか個人をすごく大事にしてるというか、子どもに対しても1人の人間として接するというか、人間味というか温かい感じに毎回見えるんだよね。そういうのは憧れる。そういう家族関係というか人間関係。思いやりに溢れる感じ。文化の違いだけど、スキンシップが多いから愛するって言葉がしっくりくるように感じられるんだよな。
抗ガン剤の影響で髪が抜けてボウズになったケイトをなだめるために、自らバリカンで頭を刈るキャメロン・ディアスの姿が衝撃的。あのシーン好き。
テイラーとケイトのパートはやっぱり切ない。期限付きの恋って、本人たちは幸せそうなんだけど、第三者から見るとほんと切ない。ダンスパーティーに行くために、ウィッグを付けたケイトが2階から降りてくるシーンも良い。あそこで、アナとお母さんと叔母さん3人が写真を撮りまくるところも好き。
それを眺めてるお父さんは、本当に切ないだろうな。今この瞬間を目に焼き付ける感じ。今後、将来2度と見られないであろうことを感じながら、温かく送り出さなきゃいけないもんな。母親だけが、ケイトの死を受け入れられず、ほかの家族はみんな、薄々感じながら節目ふしめで受け入れる気持ちを用意してってる構図がね。もう。
ケイトが母親のために作ってたアルバムはすごい。ああいうの作れるのすごい。憧れる。実際作らないんだけど。ああいうの見るとセンスあるなって思う。
泣ける要素はいっぱいある。分かってるしベタだけど泣ける映画。