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私の中のあなたのtheoryのレビュー・感想・評価

私の中のあなた(2009年製作の映画)
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家族とは何かを考えさせられる映画。家族だからできること、家族だからできないこと。その超えられない境界線のようなものが随所に描かれている。
その現実を前にしたときの、母の盲目とも思える強さ。父や兄の何もできないもどかしい距離感を抱えながらも、しっかりと寄り添う優しさ。妹の健気な献身性と、孤独に耐える強さ。
家族がもつ負の部分もしっかりと描かれていることで、よりリアリティをもって観ることができた。
終末の親戚が見舞いに来て、良かれと思って前向きなことを次から次へと口走る善意の暴力に、本人は笑顔で応え、家族は閉口するシーン。耐えきれずに父親がピザをたのむあたりが良かった。

キャメロン・ディアスや姉妹はもちろんのこと、個人的には多くを語らずに演じた父親や兄の演技に惹かれた。
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