凪

私の中のあなたの凪のネタバレレビュー・内容・結末

私の中のあなた(2009年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなことを言ったら怒られるかもしれないけど…私は物語に触れて、“死はエンタメにとって最高のテーマだな“と思うことがある。

聖書のキリスト初め、死ぬことで神聖化される英雄は沢山いる。映画でも死をもって何かを語る作品は多い。特に日本なんかはハラキリ(切腹)の文化もあったし、死が誇りと結びつきやすい価値観を持っているように思う。アニメや漫画の人気キャラもよく死ぬし、そこから物語が始まることも数え切れない。

でもここまで、「大切な人が死ぬこと」を真摯に描いた物語は今まであっただろうか…。

☆あらすじ:
難病の姉・ケイトを救うためにドナーとして生まれた11歳の妹・アナ。しかし、ある日突然アナは「もう姉のために手術を受けるのは嫌」と弁護士を雇って両親を訴える。しかし、そんなアナの決断の裏には、驚くべき真実が隠されていた。

「 ” 私の中の ” あなた」
このタイトルは、亡くなった大切な人が自分の一部になることを表しているんじゃないか。でも、きっとこの言葉を言えるのは、その人の死を本当に受け入れられた人だけだ。

私は無神論者かつ天国の存在を信じていない。しかし、死後の世界がどんなものかを考える人間の心理が少しわかった気がした。

いつかまた会える、その間はずっとつながっていられる、“私の中に“あなたは残るんだ、と信じることで、人は大切な人の死を受け入れて、前に進むことができるんだろう。

「いつかまた会える……それまで、私とケイトの心はつながっている」

最後のセリフが印象的。
凪