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ライフ・オブ・デビッド・ゲイルのRのレビュー・感想・評価

4.2
冤罪で死刑の宣告を受けたと獄内で主張してる男デヴィッドゲイルが、女性ジャーナスリスト ビッツィーを名指しし、真実を語りたいから死刑直前の1週間で3度面会し、記事にしてくれと依頼される、ってなストーリーということで、死刑廃止論的内容を含んだ重厚な政治的ドラマだと思っていたら、まったく違って最初ちょっとビックリしてしまった。音楽とノリが軽い! えっ、シリアスなドラマなんじゃねーの? しかも、出演者(ケイトウィンスレット&ケビンスペイシー)の演技もみんなふつうに娯楽映画みたいなオーバーな雰囲気で、うーん、ところどころ演出ミスってない?みたいな部分があり、どうなんでしょうか、これは、でもアランパーカー監督やしなぁ…と思って見てたんやけど、一風変わった演出に馴染んでいくとだんだん面白くなってくる。デヴィッドゲイルは元々大学で哲学を教えてて、その後死刑廃止を訴える組織で活動していたのだが、熱烈な女性活動家であり親友のコンスタンスが殺害され、その容疑で有罪になって死刑判決を受けたのだ。一通り普通に裁判を受けた彼が冤罪の真実を語るということで、半信半疑だったビッツィーは彼の話を聞いていくことを通して、彼の有罪を疑い始めるのだが…。彼の語る過去がフラッシュバックして話が進み出すと、デヴィッドの人生の不如意な転落から目が離せなくなる。で、一体真犯人は誰なのか…と思いを巡らしながら見てると、まさか、死刑について激論を交わしたアイツなのでは…体制の陰謀か! ビッツィーはデヴィッドの死刑を阻止することができるのか?ってなっていき……おっと、ここからはネタバレに注意せねば。後半は濃厚になっていくミステリーとタイムリミットサスペンスの要素が組み合わさって、ハラハラドキドキ。画面を食い入るように見つめ、最終的にナルホドーーーそーだったのかーーー!!! うおおおおおお!!! ってなったあと、うわあああああ!!! ってなって、何てことだ……あゝ。そろそろこの映画もエンディングですよねってときに、もひとつ追加でええええええええええ!!! ってなりました。ナルホドー! ラストシーンを見終わって納得。何だかんだで全体としてはふつーに楽しい娯楽サスペンスを作りたかったんだな。そのなかに社会的問題提起も含んでるみたいな塩梅で。キューブラーロスの死の五段階が出てきたり、死の恐怖に怯えるのに疲れた、とか、死はご褒美だ、とか、心に引っかかるセリフが多かったのも印象的。見ながらいろいろ考えさせられた。あと、ケイトウィンスレットはやっぱすげーいいなーと思ったのと、ケビンスペイシー、セブンやらユージュアルサスペクツやらアメリカンビューティやらとキャラがかぶって何か不思議な感じがした笑 かなり面白かった!
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