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マッドマックス/サンダードームのりのレビュー・感想・評価

3.9
メル・ギブソンカッコよすぎるな。シリーズを通すごとに荒廃度が上がり、それとパラレルに面白さも上がる。1985年代って冷戦下だったし、20世紀の終わりが近づいていたから終末思想的なのが流布していたのかなあと邪推する。それにしても、未開のジャングルに住んでる人は幸せそうだった。対して、都市に住んでいる人は物質的に豊だけど、歪みに歪みきっている。資本主義は進んではないのだろうけど、物々交換の世界が広がっている。もう少しで貨幣が誕生して、現代みたいな社会になるのかなあ。〈未開ー文明〉というモチーフがあったけど、どちらがより幸せなんだろうか。個人的にはその中間地点が幸せなんだろうと思う。日本でいえば高度経済成長みたいな。文明化している時って未来に希望があるし、神にでもなれるんじゃないかって気分になりそう。まあ、73年に成長が停滞して、80年代からは停滞期に入ったから、急速に希望が薄れ、こういったディストピア映画が作られたんかなあ。製作当時の世相を邪推しながら映画を見るってのもまた一興ですね。以上。
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