丽遥

書を捨てよ町へ出ようの丽遥のレビュー・感想・評価

書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)
4.5
アングラと寺山修司は切り離して考えるべきだ、、
主人公が役と役者のふたつをやっているのがすごい。加えて、その主人公がこちらに訴えかけ、映画は嫌いだと言うところ。鑑賞者も作品のなかにおり、かつ作品と同時に時が進んでいる。鑑賞者の個別性を重視しているとするならば、本作は複製芸術でありながら一回性も有していると言えるのではないか。
走ったりサッカーをしたりする登場人物の目線と重なるかのように荒れるカメラはドキュメンタリーよりも作品が鑑賞者に近いと思わせる。主人公は役であり、鑑賞者である。鑑賞者は鑑賞者であり、役である。
性的な関心、家庭(共同体)、生死は密接に関わっており、その関係性が生の躍動とともに描かれていた。
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