骨折り損

書を捨てよ町へ出ようの骨折り損のレビュー・感想・評価

書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)
4.3
凄まじいエネルギー量。
受け止めきれない、ぶっ飛ばされた。
映画の始まり方でもう心を鷲掴みにされてしまった。正直、よくわからないしぐちゃぐちゃでカオスだけどそのカオスがなぜか不思議と心地よくなってくる感覚があった。本当に辛い、直視するのが。血がドボドボ流れる傷口をやすりで優しく撫でられるような、痛いのに痛い、また痛い、とめどなく感じる鋭い感覚にどうしてやめてと言えないのか。映画を観て感じた初めての感情を発見した。具体的な意図なんかはほぼわかっていないつもりだ。ただ、この時代の鬱屈とした反抗的な原動力、叫びはしっかりと響いた。人の気持ちの強さは時間なんか軽く飛び越えて伝わる。なにもかも力強かった。強過ぎた。
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